受験勉強していると、時間を上手に使う術を身につける必要があると感じている生徒もいるのではないでしょうか。
時間を作り出す方法として1番に思い浮かぶのが睡眠時間の削減だと思います。
しかし睡眠時間こそが受験対策の中で意識するべき問題であり、受験を成功させるカギとなるのです。
この記事では受験生と睡眠時間について以下のことを解説していきます。
睡眠が受験生に与える影響
受験生が実践するべき睡眠方法
睡眠と合わせておすすめの勉強方法
受験と睡眠の関係を理解し、目標に向けて効率的に勉強を進めていきましょう。
受験生に必要な睡眠時間は?
受験勉強に力を入れていると時間が過ぎるのを忘れ、つい睡眠を疎かにしてしまいます。
勉強と睡眠には関係があり、睡眠の長さと質が受験の結果に繋がることもあります。
では、受験生に最適な睡眠時間とはどれくらいなのでしょうか。
睡眠の実態と最適な睡眠時間について解説していきます。
小中高生の睡眠時間の実態
文部科学省の調査による小中高生の睡眠時間の平均は下記の表の通りです。
区分 | 平均起床時間 | 平均就寝時間 | 平均睡眠時間 |
---|---|---|---|
小学生 | 6時30分〜7時 | 21時~22時 | 約9時間 |
中学生 | 6時30分〜7時 | 23時~24時 | 約7時間 |
高校生 | 6時30分〜7時 | 24時~25時 | 約6時間 |
▶文部科学省「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果」
起床時間は6時30分〜7時の間が1番多く、どの学年でも70%以上の生徒が7時までには起床しています。
就寝時間は学年ごとに異なります。
・小学生の約50%が22時までに就寝
・中学生の約70%が24時までに就寝
・高校生は約47%が24時以降の就寝
学年が上がるにつれ就寝時間が遅くなり、平均睡眠時間が短くなるという結果です。
睡眠の種類と受験生に最適な睡眠時間
睡眠の種類は、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類です。
・ノンレム睡眠は脳を休ませる睡眠
2つの睡眠が90分のサイクルで繰り返されるため、4回繰り返されると6時間、5回繰り返されると7時間半の睡眠時間となり、受験生に最適な睡眠時間は、このサイクルを利用した6時間か7時間半と言われています。
上述した小中高生の睡眠時間とあまり変わらないと感じるかもしれませんが、あくまで平均の時間ですので、自分の実際の睡眠時間と比べてみてください。
睡眠不足が受験生に与えるの影響
睡眠時間が不足すると、脳や身体に限らずさまざまな場面で影響が出てきます。
特に睡眠時間の減少でもたらす受験生の生活に関わる3点について解説していくので、効率的な勉強をするためにも、睡眠が受験生に与える影響をしっかりと理解しておきましょう。
睡眠不足が受験生に与えるの影響①記憶の整理
レム睡眠は身体を休める睡眠ですが、同時に脳が記憶の整理と定着をします。
ノンレム睡眠を十分に取った後にレム睡眠が出現し、睡眠が進むにつれレム睡眠の出現時間が多くなるのですが、このサイクルを心がけ、十分な睡眠時間を確保することで記憶が整理され定着されるのです。
逆に睡眠時間が少ないと覚えた記憶が定着しません。
睡眠時間を惜しんで勉強しようとする受験生もいますが、睡眠は勉強した内容や暗記した内容を記憶にしっかりと定着させるためにも大切な時間なので、睡眠はしっかりと取るようにしましょう。
睡眠不足が受験生に与えるの影響②集中力の欠如
ノンレム睡眠の時間が少ないと脳がしっかりと休んでいません。
また、睡眠が不足していると眠気との戦いでイライラが溜まってきてしまい、そのような精神状態では勉強に集中できません。
集中力を持続させるためにも十分な睡眠時間の確保が重要です。
睡眠不足が受験生に与えるの影響③体調不良
身体を休ませるレム睡眠が足りないと免疫力が下がり風邪を引きやすくなります。
受験期である冬はウイルス性の風邪などが流行りやすい時期です。一生懸命勉強しても体調を崩してしまえばその努力は水の泡となり結果へと繋げられません。
体調管理は受験生がやるべき対策の1つですので、良質な睡眠をしっかり取って健康面のケアも忘れずに行いましょう。
睡眠が受験生にもたらすメリット
睡眠不足が勉強に与える悪影響について説明しましたが、睡眠と勉強はかなり深くかかわっています。
ここでは睡眠をしっかり取ることで受験生にメリットとなる点を4つ紹介します。
睡眠が受験生にもたらすメリット①記憶の固定化
勉強後に起きている場合と勉強直後に睡眠を取る場合を比較すると、勉強直後に睡眠を取った方が覚えた記憶を忘れにくくなるという調査結果があります。
また、早寝早起きの朝型の人と遅寝遅起きの夜型の人の成績を比較すると、朝型の人の方が良い成績がでるというデータもあります。
適切な時に適切な睡眠を取ることで、記憶が固定化され成績に繋がるのです。
睡眠が受験生にもたらすメリット②規則的な生活
受験生は目標に向けて計画をたてて勉強を進めることが重要ですが、その計画には睡眠も含まれます。
睡眠時間を削らないといけない状態にならないようにあらかじめ計画をしっかりと立て、その計画に従って勉強を進めることができるように、工夫しましょう。
受験当日の試験は午前中に開始されることがほとんどです。
普段から試験本番を想定して起床時間と就寝時間を調節し、規則正しい生活をしていると試験前夜でも慌てることなく落ち着いて本番に挑めます。
また、試験前日だから早めに寝る、少し遅くまで勉強するといった普段とは違う生活は送らないことが大切です。試験前日だからこそ、今までと同じ生活リズムを送りましょう。
睡眠が受験生にもたらすメリット③体力の回復
受験生は学校や塾で忙しいので、頑張りすぎると疲労が溜まってくるでしょう。
体力を回復させるために必要なのは良質な睡眠なので、記憶を定着させるだけでなく身体の休息も目的としてしっかり睡眠を取りましょう。
十分な睡眠は体力が回復し免疫力が上がって風邪を引きにくくなります。
睡眠が受験生にもたらすメリット③精神の安定
良質な睡眠を十分に取ると眠気と戦う必要がなくなり、脳がスッキリした状態で勉強を進められます。
受験生は何かと精神が不安定になりがちです。睡眠をしっかりとると精神が安定し、焦りや不安の感情が出現しないため、常に安定した気持ちで勉強を進めていけるのです。
受験生が実践するべき睡眠方法
睡眠はただ時間を増やせばよいわけではなく、脳と身体に効果的な睡眠にする必要があります。
生活リズムを作る睡眠と、良質な睡眠を作る方法を説明します。
受験生が実践するべき睡眠方法①生活リズム編
睡眠を規則正しく取ることによって、生活リズムを整えられます。
生活リズムを整える睡眠方法は以下の4つです。
朝日を浴びて体内時計を整える
朝目覚めたらカーテンを開けて朝日を浴びましょう。
朝日を浴びることによって身体が目覚めを認識し、体内時計が動き始めます。
体内時計が整うと夜の睡眠時間に自然に眠気が訪れるようになり、良質な睡眠を得られます。
朝食をしっかり食べる
身体が目覚めたら必ず朝食を食べましょう。
受験太りが気になるから朝食抜きダイエットを行ったり、朝食を食べている時間がもったいないから食べないという受験生もいますが、受験には逆効果です。朝食をとることによって脳が動き出し、1日の生活をきちんとスタートできます。
スタミナや健康面からみても朝食はきちんと食べましょう。
仮眠は夕方までに
日中に眠くなってしまった場合、仮眠を取るとしたら夕方までに行いましょう。
日中に15分〜30分程度仮眠をとることは集中力を向上させる効果があるといわれていますが、夕方以降の仮眠は夜の睡眠に支障があり、寝つきが悪くなったりぐっすり眠れなくなってしまいます。
受験生としての計画性を持ち、仮眠は夕方までと意識して生活しましょう。
休日の睡眠時間
学校が休みの日になると夜更かしと遅起きの誘惑が出てくるため、生活リズムが崩れがちです。
平日で作り上げた生活リズムを休日に崩してしまうと、休日の睡眠不足が平日、特に月曜日に影響してきます。
休日も平日と同じ生活リズムで早寝早起きを心掛けましょう。
受験生が実践するべき睡眠方法②良質な睡眠環境編
次に良質な睡眠をとるための方法を4つ紹介します。
良質な睡眠をとることによって、レム睡眠ノンレム睡眠のサイクルを作り出し、脳と身体によい影響を与えてくれます。
湯船でリラックス
お風呂のタイミングは、就寝の1時間前が効果的です。
受験生はお風呂の時間がもったいないとシャワーだけで終わらせてしまいがちですが、シャワーだけで終わらすのではなく、湯船に浸かり身体をしっかりと温めましょう。
人は温まった身体が冷えてくる段階で眠気が発生すると言われているので、勉強と睡眠のタイミングを考えてお風呂でリラックスタイムを過ごしてください。
もし、湯船につかる時間ももったいない!という方は湯船につかりながらも勉強をすることは十分可能です。参考書やタブレットが濡れないようにジップロックなどに入れて浴室に持ち込んで勉強するといいでしょう。
夜食は控える
夜遅くまで勉強するとお腹が空いてくることもあるかと思いますが、夜遅くの食事は体内時計を狂わせ、その後の睡眠や翌日の朝に影響してくるため、夜食を摂ることはできるだけ控えましょう。
お腹が空いてしまったら、白湯を飲んで身体が温まる程度におさめておきましょう。
スマホやゲームの使用は禁止
受験生で寝る前にスマホでゲームなどをする方はいないとは思いますが、スマホなどの画面から発せられるブルーライトは目を疲れさせ心身を目覚めさせてしまい良質な睡眠に悪影響を及ぼします。
お布団に入ったら睡眠以外の行動は慎むようにしましょう。
穏やかな音楽と香り
寝つきをよくし気持ちよく睡眠に入るための対策として睡眠導入用の穏やかな音楽を流したり、ラベンダーなどの香りの利用が効果的です。
ひとり1人好みは違うので、自分に合った音楽や香りを用意してみてください。
同時に日中酷使した目を1日の終わりに温めると、血行が促進され深い眠りにつけます。
睡眠と合わせておすすめの勉強方法
睡眠時間と勉強時間を調節していると、勉強時間が足りなく感じて焦りが出てくるかもしれませんが、勉強方法を少し工夫すると、必要な勉強をきちんと身につけられます。
ここからは、睡眠と合わせておすすめの勉強方法を3つ紹介します。
睡眠と合わせておすすめの勉強方法①隙間時間の活用
1つ目は隙間時間の活用です。
通学中や休み時間などの自由が利く短い時間に勉強を取り入れてみましょう。
短時間での勉強は案外集中できるので、英単語や歴史の暗記に効果的です。
睡眠と合わせておすすめの勉強方法②アウトプットで記憶を定着
自分で学習した内容を言語化すると情報が整理されるので、理解が足りていない箇所を発見できるため、限られた時間の中で効率的に勉強する方法としてアウトプットがおすすめです。
友達に教えてみたり、親御さんに聞いてもらうなどしてアウトプットするといいでしょう。
アウトプットをするとわかっているつもりでも意外とわかっていなかった、できていなかった部分も見えてくるので今後の勉強方針を決めていくうえでも役立ちます。
睡眠と合わせておすすめの勉強方法③日中の眠気には短時間の仮眠
眠気と戦いながら勉強を進めても、脳が集中できず効率的な勉強にならないため、日中にどうしても眠気が襲ってきた場合は、思いきって仮眠を取りましょう。
仮眠を取り脳をスッキリさせてから再スタートさせた方が、勉強の効率は上がります。
ただ、仮眠は30分以内に収め、また夕方より前の時間帯にするようにしてください。
受験と睡眠時間の関係を意識しよう|まとめ
受験生と睡眠時間について以下の内容を解説してきました。
睡眠が受験生に与える影響
受験生が実践するべき睡眠方法
睡眠と合わせておすすめの勉強方法
受験生に最適な睡眠時間は、睡眠のサイクルを利用した6時間か7時間半です。
睡眠が不足すると受験勉強に影響が発生し、逆に良質な睡眠が十分に取れていると勉強の効率が上がり結果へと繋げられます。
受験勉強は合格へのプレッシャーと実力との差から生まれる不安の連続で、精神的にも身体的にも疲労が溜まりますよね。
睡眠の意識を少し変えるだけで、結果は大きく変わっていきます。
今回の記事で睡眠と勉強の関係をご理解いただけたと思いますので、参考になった箇所をぜひ実践してみてください。
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